無痛分娩
無痛分娩とは
無痛分娩とは麻酔を用いて陣痛に伴う痛みを和らげながら出産を行うことです。
お母さんの意識はあり、赤ちゃんにも麻酔の影響はありません。
陣痛の痛みはなくてもおなかの張る感覚はあり、ご自身のいきむ力で出産することが可能です。
当院では24時間365日無痛分娩に対応しております。
無痛分娩をご希望の方は妊婦健診の際に遠慮なく院長にお申し出ください。
メリット
赤ちゃんへの
負担軽減
普通分娩では陣痛の痛みにより、胎盤の血流は低下し、赤ちゃんへの酸素供給量が減ってしまいます。それにより赤ちゃんは苦しくなってしまうことがありますが、無痛分娩ではそのような症状が改善され、お産の進行もスムーズになると言われています。
お産はしっかりとご自分でいきんで行うことができます。
ママの体力の
消耗を抑える
個人差はありますが、普通分娩では陣痛の痛みに何十時間も耐えてからのお産になるので、出産時にはかなりの体力が消耗され、産まれてくる赤ちゃんに意識がむくどころではなかったり、退院後も疲労やダメージで一ヶ月近く体を動かすこともままならない状態となったりする場合もあります。無痛分娩ではそれを最小限に抑えることができるので、退院後もスムーズに普通の生活や育児を行うことが可能となります。
分娩の傷を
抑える
産まれる直前の赤ちゃんの頭が膣口に挟まっているときは、ものすごく痛みを生じ、過度にいきんでしまい、たいていの方は腟壁が大きく裂けてしまいます。一方、無痛分娩ではその痛みが無い分ゆっくり腟壁を引き伸ばしながら進んでいくので、裂傷を最小限に抑えることができます。傷を縫う痛みもありません。また、痛みがない分、赤ちゃんが産まれてくる瞬間を家族みんなでゆっくり味わうことが出来るというメリットもあります。
デメリット
痛みが軽くなる分、いきむ力が弱くなるため普通分娩に比べて吸引分娩が必要となる割合がやや増えると言われています。しかし、それによって赤ちゃんの状態が悪くなるということはありません。
また、一時的な血圧低下に伴う嘔気や、かゆみ・正座したあとのような一時的な下肢の痺れが出る場合もあります(20%程度)。
処置後の硬膜穿刺後頭痛(1%)、神経障害、局所麻酔薬中毒、全脊椎麻酔、感染などは非常にまれに起こりうる症状であり、合併症としての可能性は0ではありません。
具体的な流れ
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入 院
基本的には当日入院
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内 診
※必要時処置有
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無痛分娩
処置 -
促進剤
点滴開始
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入院して内診
予め入院する日程を決めておきます。当日の朝に入院していただき、まずは内診で子宮口の開き具合を見ます。 ある程度子宮口が開いている方は、そのまま陣痛促進剤の点滴を開始します。子宮口があまり開いていない方は風船(ミニメトロ)を挿入して、1時間経過してから点滴を開始します。
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無痛分娩処置
ベッドの上で横向きに寝ていただき、背中を丸めるような体制になります。局所麻酔した上で背骨の間からカテーテルを硬膜外腔というスペースに挿入します。(画像参照)処置が終わった ら、また仰向けに戻ります。痛いのは最初の局所麻酔のみ(採血と同程度の痛み)、処置の時間としては5分程度です。
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促進剤点滴開始
点滴開始後直ぐ何も感じませんが、徐々に生理痛のような痛みが出始めて、それが徐々に陣痛に変わっていきます。 痛みを感じたらどのタイミングでも構いませんので、おっしゃっていただければカテーテルから麻酔薬を投与します。麻酔薬を使用すると20分程度で痛みが軽減されます。 一度投与すると1~2時間は持続します。また、痛みが出てきましたら、痛みを和らげるために麻酔薬を使用していきます。
硬膜外麻酔
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分 娩
ほとんどの方は同日夕方までにお産になります。 分娩後、背中のカテーテルを抜去して全て終了となります。